[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
あ、頭が……ッ!!
割れそうだ……ヤツが、ヤツが……近くにいるのかっ!!
中二ってロマンだと思います。
物語と書いてロマンと読みます。
暇になると、面白かったことを反芻します。
今の所お気に入りは
「その服の髑髏やる夫にするよ」→「あーあーこれもう俺徹夜だな」
「ギョと書いてうおと読む!」
虫の画像見て「うえぇぇぇい!?」
めくれゆくテプラの表。
笑い出してキモいヲタクがひとり。
新しい方向へ物事が動きはじめて
とねりこのダイエットは延期する。
(゚ロ゚;)<今年も水着は無縁だと……
続きからはssとメルフォレス。
色気のある文章を書けるようになりたい。
>2日18時の方
毎度のメールに感謝感激でスライディング土下座ものですv
フイフイの内容としては……一言で言うと、お仕事請けてました。
お仕事内容は伏せますが、なんとなく新鮮な……へっへっへっ。
おつありさまですございます。
そして体は療養中なので大丈夫ですよー(^Χ^)ノ
乱れたベッドの上に彼女はいた。
助けに来た少年の姿など見えないかのように虚空を見つめ、口元からは唾液ともとれないものを零しながら笑っていた。
散らばった衣服。
赤黒い痣が目立つ白い体。
白いシーツに残る血痕。
そういった知識の乏しい少年ですら、彼女の身に起きた事を本能で理解した。
「……エルザ……!」
小さく名前を呼び、歯を食い縛る。
剣を握り締める腕が震えた。この感覚を、少年はどこかで知っていた。
ここに到るまでに流した血。切り伏せた人間の数。
それらを軽く凌駕するような生き方をしていた。
少年が少年になるその前は。
「お前は……俺を、ヒトにする、女、だった……」
理由は忘れた。
気付いた時には弟と共に人里に転がっていた。
薄汚い呪われた双子。
忌み嫌われた兄弟を受け入れたのは、ただ一人の少女のみ。
赤いドレスを欲しがった貴族の令嬢。
灰色の街に売られた没落貴族の末娘。
「エリザベート……」
ヒトにあらざる少年に心を与えた少女。
天使の如き少女は今、心を失った眼差しで何かを見つめていた。
その先にあるものが扉なのか、それとも門なのか。
楽園に繋がる扉を見ていたのか。
奈落に続く門を見つめていたのか。
少年には理解できなかった。
ただ言葉もなく、剣を携える。
息を吸い、息を吐く。
次の瞬間には、ベッドは血に染まっていた、
隙間もないほどの赤。
呼吸のにごる音。
「……カイン……?」
少女に与えられた名が呼ばれる。
「そこに……いるの?」
死を目前にして、心を取り戻したというのか。
皮肉な運命に少年は顔を顰める。
「よかった。カイン……わたし、さよならを言ってなかったの。
おとうさまが、欲しかった赤いドレスを買ってくれて……わたしを抱き締めてくれた。
あいしてる。って言って……おかあさまが泣いていたの。
ふたりにさようならをして、わたしは馬車に乗ったの。
……おねえさまとおにいさまが泣いてたわ。
ねえ……カイン」
うつろな眼差しが少年を見る。
「あなたは、とてもきれいね」
もう、何も見えていないだろうに。
少女は微笑んでいた。
死を目前にして。
「アベルとあなたはきれい。
わたし……の……さいごのわがまま。
カインの……およめさんに…………なりた……」
事切れる。
命が終わる音が聞こえた。
「……およめ? 人間のお前が……?
俺は悪鬼だ。人間なんか娶れるか……娶れるか……」
小さな手。
握り締めた剣を投げ捨てる。
もう動かない少女の肩を掴み、揺さぶる。
「お前はどこへいく。
俺はここへきた。お前はどこへいく。
答えろ、エルザ。答えろ…………!!!」
少女は答えない。
揺れる金の髪。
赤に染まった肌。
少年の瞳が揺れる。
灰色の双眸。溢れる雫は頬を伝い落ちた。
「俺の世界はお前だった。
お前のいない世界は……ない。
俺は、お前を、お前と、あぁ。そうだ。そうだ、エルザ」
遠い昔の記憶。
褐色の少女を愛し、奪われた最期。
時を同じくして奪われた命。
世界が黒く染まった刹那、転がり落ちたのは人里だった。
今度こそ間違えない。
少年は痛む右目を押さえた。
「壊してしまおう。
俺から奪う世界を。
すべて、壊してしまおう。
血の色をした赤い右目。
遠い日に失った褐色の少女。
今、新たに失った天使の少女。
少年は再び剣を持つ。
燃え盛る邸をあとにして、
「壊してしまおう。
俺が二度と奪われないように。
壊してしまおう。
俺から奪う、こんな世界など」